市場のボラティリティ:恐ろしい時に覚えておくべき3つの事実

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マーケット インサイツ

市場の混乱局面に投資を継続することの価値については、歴史が証明しています。

 

要旨

  •  多くの国で新型コロナウィルスの感染拡大が報じられたことを受けて、金融市場は新たなボラティリティに見舞われています。
  •  しかし、株式市場におけるボラティリティは、長期的視野に立てば比較的よくある事象です。(S&P500種株価指数で代表される)米国株式市場は過去40年間、数多くの悪い出来事を乗り越え、年率2桁のリターンを達成してきました。
  •  過去を振り返ると、株式のパニック売りを行った投資家は、その後の市場の急激な反発というチャンスを逃したことで長期リターンの低下を被った可能性があります。

 

新型コロナウィルスの世界的な感染拡大の影響を巡る不確実性の高まりを受けて、世界の金融市場はここ数日間に大きく変動しました。誰もが知っているとおり、市場は不確実性を嫌います。しかし、事態がいつどのように好転するのか誰にも分からないなかでも、確実に分かっている重要な事実がいくつかあります。過去のボラティリティ局面に市場はどのように対応してきたでしょうか。本稿では3つの事実を紹介します。

1.       市場のボラティリティは、よくあること

恐ろしいニュースが次々と報じられているなかで重要なのは、市場のボラティリティは珍しいものではないという事実を思い出すことです。実際のところ、10%の株価の下落は珍しくなく、一般的には1~2年に1回程度は発生するのが普通です。

図1をご覧ください。1980年以降の市場データによると、株価の下落は毎年のように発生している(下落幅の平均は13%)ものの、最終的な年率リターンはプラスとなる年がほとんどです(年率リターンの平均は13%)。

 

図 1. 大幅な下落によって、その年のリターンが自動的にマイナスとなるわけではない
S&P500種株価指数のトータルリターンと全体的な下落最大幅の比較、2019年12月31日時点

出典:モーニングスター
過去のデータは図示目的のみであり、ロードアベット社が運用するポートフォリオや固有の運用の成果を表すものではありません。また、それは将来の運用結果を予測や示唆するものでもありません。インデックスは非運用型であり、手数料や経費を反映しておらず、直接に投資する事もできません。過去の運用実績は信頼できる指標ではなく将来の成果を保証するものでもありません。

 

2.   市場は過去の危機の後、素早い立ち直りを示してきた

コロナウィルスの感染拡大に対する懸念は大きく、人的犠牲や経済的打撃の規模を予測することは難しい状況です。一方で、株式市場が過去数十年間にわたって数多くの悪い出来事を乗り越えてきたことにも留意すべきでしょう。1980年以降、市場に衝撃を与えた出来事の(一部を載せた)リストをご覧ください。

 

出典: ブルームバーグ及びロードアベット

 

3.    重要なのは「マーケットタイミング」ではなく、市場への投資期間

ボラティリティの高い局面は投資家を不安に陥れます。投資元本の安全性確保のために市場から資金を引き揚げ、その後に最適なタイミングで市場に戻って資産を再構築しようとする投資家もいるでしょう。これは「マーケットタイミング」と呼ばれる戦略です。マーケットタイミングを成功に導くためには、将来の正確な予測を長年にわたって続ける能力が必要でしょう。なぜなら、こうした投資家は恐らく、将来の市場からの退出と参入についても最適なタイミングで行いたいと望むと考えられるからです。

こうした能力を持たない場合にはより堅実なアプローチが相応しいと、私たちは考えています。

なぜでしょうか。ボラティリティリスクを巡ってマーケットタイミングを計ろうとする投資家は、市場の長期リターンを逃しているからです。図2は、過去25年で市場パフォーマンスが良かった上位10日、20日、30日間を見逃さなければ、S&P500種株価指数において10,000米ドルの成長を見ることができた投資家がいたことを示しています。

 

図2. 市場パフォーマンスが最も良かった日を逃した場合のポートフォリオ状況
S&P500種株価指数での10,000米ドルの年率リターンと伸び率、1994年1月1日-2019年12月31日

出典:S&Pおよびロードアベット。リターンはS&P500種株価指数に基づいて計測。投資における「最良の」日とは、過去のデータに基づきS&P500種株価指数が一定期間内に最も高いリターンを生み出した日と定義。年率リターンとトータルリターンは、すべての配当やキャピタルゲインが再投資されるとの前提に基づく。 過去の運用実績は信頼できる指標ではなく将来の成果を保証するものでもありません。過去のデータは図示目的のみであり、ロードアベット社が運用するポートフォリオや固有の運用の成果を表すものではありません。また、それは将来の運用結果を予測や示唆するものでもありません。インデックスは非運用型であり、手数料や経費を反映しておらず、直接に投資する事もできません。

 

最後に

このほかにも、市場の混乱局面で覚えておくべき考え方がいくつかあります。

分散化を保つ:本稿では株式に注目しましたが、投資家は金融アドバイザーへの相談を定期的に行ってポートフォリオの適切な分散化を確保するべきでしょう(例えば、株式、債券、クレジット、短期/流動性資産の間の戦略的バランスの見極め等)。

集中力を保つ:ボラティリティを乗り越えることは難しいかもしれません。いつまで続くのか、誰にも分からないからです。しかし、ボラティリティが機会を生み出す可能性が高いことも事実です。執筆の時点(2月27日)において、米国株式は直近の高値から10%下落している一方、米国ハイイールド債のクレジットスプレッドは1月中旬の低水準から100ベーシスポイント広がっています。こうした短期的な市場のズレは、主要資産クラスへの魅力的な参入時点になり得るだけでなく、アクティブマネージャーにとって格好の投資機会となる可能性があります。

平静を保つ:報じられているニュースに不安を覚えるかもしれませんが、長期投資家はこれまでにも数々の恐ろしい局面を乗り越えてきました。投資家にとって重要なのは、市場の短期的な動きに反応するよりも、資産アロケーションの対象期間とリスク許容度の適切性を確保することでしょう。

マーケットビューは情勢を注視し、必要に応じて最新情報を提供して参ります。

 

 

リスクについての注記: 株式への投資価値は、全般的な経済情勢や特定の企業やセクターに関する見通しの変化に応じて変動します。成長株は株式市場の日々の騰落にさらされる一方で、その長期的な潜在性とボラティリティは大きくなる可能性があります。バリュー投資には、証券が過少評価されていることを市場が認識しないリスクや、証券が予想通りに上昇しないリスクを伴います。中小企業は大企業に比べて、ボラティリティは高く、流動性は低くなる傾向があります。小型株企業は大型株企業に比べて限られた製品ライン、市場、資金しか有しておらず、一般的に高い破綻リスクにさらされます。債券における投資価値は、金利変動や市場動向に応じて変化します。債券価格は、金利下落局面で上昇し、逆に金利上昇局面で下落する傾向にあります。

いかなる運用戦略であっても、市場の変動を回避し、将来のリターンを保証することはできません。

見通しや予想は現在の市場情勢を基にしたものであり予告なく変更されることがあります。予想を保証ととらえるべきではありません。

本リサーチには、将来の事由についての特定の前提をもとにした「将来の見通しに関する記述」という特定の前提が含まれています。実際の事由を予測することは難しく、前提とした内容と異なる可能性があります。将来の見通しに関する記述が実現するか、または実際のリターンや結果が本リサーチで記述した内容と大きく異ならないかについて、保証することはできません。

金融市場のトレンドに関する記述は現在の市場情勢を基にしたものでありこの先変動する可能性があります。市場が将来同様の状況下で同じようなパフォーマンスを生む保証は一切ありません。

米国債は米国政府が発行する債券であり、政府の十分な信頼と信用によって担保されています。米国債からの所得は州、地方税が免除されています。米国債の元利金は保証されていますが、市場価格については保証されておらず市場動向に応じて変動します。

S&P 500種株価指数は米国株式市場の大型株パフォーマンスを示す基準として広く認識されており、主要業界における主要企業の代表的な株価を含んでいます。

指数は非運用型であり手数料や費用控除を反映しておらず、また直接投資することはできません。

前述の経済レポートで示された見解は発表日現在のものであり、今後その内容が変更となる可能性があります。また弊社の見解を表明するものではありません。本資料は特定の投資または一般的な市場に関する予測、リサーチ、投資アドバイスとしての利用を目的として作成されておらず、また法的・税務上の助言を提供するものでもありません。本資料は当社が信頼できると思われる情報に基づいて作成されておりますが、当社はその正確性および完全性について保証するものではありません。

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